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当事業団は、国鉄改革により国鉄長期債務の償還を図るために、10年の期限を持って設立された特殊法人で、旧国鉄からの継承資産の売却や職員の再就職促進などの清算事業を行なう。
旧国鉄民営化時の長期債務額は37兆1,000億円で、JR各社が負担した11兆6,000億円を除いた25兆5,000億円を当事業団が引き継いだ。当事業団の主な業務は、資産の清算であり利益を追求することが目的ではなく、土地などの資産を確実に売らなければならないのだが、債務の推移は別紙の通りで、債務の返済は進んでいないどころか債務額を増加させている状態。
当期損失は、平成6年度から平成8年度まで、9,568億円、9,933億円、6,386億円、固定負債は平成5年度から平成8年度まで、22兆625億円、22兆9,920億円、23兆9,468億円、24兆5,684億円と増加し続け、平成8年度の借入金及び債券の支払利息合計額は、9,018億円に達している。
当事業団の資産は、地価の下落などで評価額が激減しJR株式の売却も大幅に遅れ、国鉄跡地開発計画の不調で資産処理による債務返済の限界を示している。資産処分が進まなければ利子が増えるだけなのだ。
金利の高い財政投融資からの借入れも債務返済状況を悪化させてきたが、ようやく財政投融資も見直しが審議され、当事業団のように不良債権化が予想される分野については新規貸付をしない指針が定められた。政府・与党の財政構造改革会議では財投資金のうち資金運用部資金からの借入金については繰上償還し、低利資金に借り換える方針を固めている(日本経済新聞 1997年11月13日)
平成7年2月24日閣議決定によると、「日本国有鉄道清算事業団については、長期債務等の処理、資産処分等の主たる業務か終了した時点で、職員の雇用の安定・確保を図った上で、整理することとし、当面、定員削減の実施を含めた要員の効率的な活用等を通じ、土地、JR株式等の資産の早期・適切かつ効率的な処分等を進める」とされていたが、当事業団は平成10年度中に廃止され、保有資産は日本鉄道建設公団に移管する方針が決まっている。
平成10年度当初には債務が27兆8,000億円に膨らむとされているが、土地や株が売れたとしても約20兆円が残るといわれる。昭和60年(1985年)に、国鉄再建監理委員会が土地売却などで処理してもなお残る債務については政府=国民の負担とするという「国鉄改革に関する意見」(最終答申)を中曾根首相(当時)に提出しており、その提言を受けて昭和61年(1986年)1月の閣議決定において国鉄債務処理に関しては国が最終責任を持つと決められている。よって20兆円は国民負担となる。毎年生じる利払1兆8,000億円分についてはJR各社の追加負担のほか、総合交通税の創設により優先処理するとの案も浮上しており、本年11月末と決められた処理策決定期限を目前に控えている。
負担をこれだけ増やし、早急に処置できなかった責任が誰にあるのかを考えれば、結局はツケを国民に回すような方法など到底受け入れられるものではない。官僚による処理の限界を強く感ずる。住専管理機構株式会社のような、破産管財事件に強い弁護士集団による処理を考えてもよいのではなかろうか。
今後の処理方策について、国民への十分な説明が必要なことは当然であるし、当事業団廃止後の債務処理構想を監視していかなければ、市民生活に多大な影響を及ぼすこと必至である。 |